【解決事例】水道光熱費や医療費の未払いを破産で清算した事例
ご相談時の状況とその後の対応
ご相談者様は、消費者金融からの借り入れはありませんでしたが、電気料金や新聞購読料、病院の入院代など、さまざまな滞納があり、督促を受けていました。
負債の状況
- 病院の入院代 約5万円
- インターネット料金 約2万5000円
- 電気料金 約5000円
- 新聞購読料 約2万円
- 無資格受診による医療費返納 約6万円
- 生活保護法に基づく返還金 約10万円
ご相談者様は、生活保護を受けており、これらの支払いをすることが困難であったため、債務整理について相談し、その結果、自己破産を選択しました。
その後、自己破産の準備を進め、自己破産を申し立て、無事、免責を得ることができました。
解説
消費者金融からの借り入れ、クレジットカードの支払い以外も破産で清算することが可能
破産というと、消費者金融からの借り入れやクレジットカードの返済をすることができない場合に利用するイメージが強いと思いますが、水道光熱費や医療費の未払いなど、金銭の支払であれば破産による清算の対象になります。
消費者金融やクレジットカード会社以外へのお支払いであっても、破産で清算することができる可能性がありますので、債務整理についてご相談される際には、相談する専門家に対し、消費者金融やクレジットカード会社以外へのお支払いについても申告し、債務整理でどのように取り扱われるのかを確認されることをおすすめします。
水道光熱費や携帯電話料金については、サービスの停止や解約の危険がある
水道光熱費や携帯電話料金の未払いを破産による清算の対象に含める場合には、サービスの停止や解約の危険について注意する必要があります。
利用者が対価(水道光熱費や携帯電話料金)を支払ってサービスを受けるという契約については、利用者の破産手続きが開始した場合、破産手続き開始前の滞納を理由にサービスを解約することは禁止されています(破産法55条1項)が、破産手続きが開始する前であれば、サービスを解約することは禁止されていないため、水道光熱費などの滞納が続いていると、破産手続きの開始前にサービスが停止されたり、サービスを解約されたりする危険があります。
生活保護法に基づく返還金は場合によっては破産で清算することが可能
生活保護法に基づく返還金が破産で清算することが可能かどうかは、返還金の根拠となっている生活保護法の条文や返還金が発生した時期などによって結論が異なります。
返還金の根拠が生活保護法63条に基づく場合には、破産で清算することができる可能性があります。
これに対し、返還金の根拠が生活保護法78条に基づくの場合には、破産で清算することができません。